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Column 11 資産家への道

お久しぶりです。

最近は専ら今年のCPA試験にむけて勉強しています。

思えば学生の頃は基礎学問ばかりやっていて社会人になって即戦力になりそうなのってFPや証券外務員くらいで、もうちょっと色々取っといても良かったかなと思いつつも、逆に計算や理解に苦しまされることなくいられるのも同時にアドバンテージだなと過去の自分を少し褒めています。

 

さて、今日は珍しく私の資産設計業務の仕事の話です。

 

資産コンサルティングというのはあまり聞いたことがない人も多いのではないかなと思いますが、具体的には資産家の資産防衛や運用管理についてとやかくいう仕事です(FPの資産設計業務)。

それで何ができるのと言われれば最終的な結果から見れば法人の売却や不動産の再生などの立案と業者の斡旋くらいだから、なんだそんな程度か、と思うことなかれ。

これ、資産規模が大きくなればなるほどリスクも高い上、専門性も高く、動く金額が大きくなる(1件あたり1億円~)ので誰にでも推進できることではないです。理解できても推進はしないでしょう。

流石に100万、200万の軽自動車一台分くらいの話ではないので、判断がつかず困っているケースが日本では有り余っており、それゆえコンサルティング業務というのは判断基準をかき集めてある程度までの分析と判断をフォローをするのが大きなウェートを占めているため、かなり広く深い知識が必要になり、例えばCFPともなればファミリービジネスのM&Aなどで上場廃止や事業権利のデューデリジェンスなどで税理士と共に相当専門性の高い仕事をすることも珍しくありません。

日本の場合、語弊を承知でほかの国に比べると士業へのブランドがやや高すぎる*1ため、FPが「手続きができない」と言うだけで知らない人からは「保険屋」とかいって割と下に見られがちです(保険屋さんが下という風に見られているのも納得がいかない、それも実力は千差万別、ただの売り子とは限らない)が、逆に言えば手続きしかできない士業に比べると、経営判断が付くまでの間のサポートはむしろまんべんなく知識を持っているオールラウンダーのCFPに軍配が上がります。なので、弁護士や税理士が出てくる前までの段階ではFPやCPAがメインになります*2 実際、最近ではCFPを中心とした資産コンサルティング業務を主業務とする事務所も存在し、若干欧米風の文化も発展しつつあります。

※1 この原因には具体的な業務内容の認知度が低すぎることが一つにあるのと、官僚主義の名残もかなりあると思います。無論弁護士や税理士の先生のレベルが高いのは認識していますが、一方で士業を保有しているからといって先生と崇めるのも少し危険臭がするのも否めません。極端な例ですが弁護士といっても裁判官をやったケースとノンキャリアで創業間もない事務所を転々としている「保有しているだけで実務経験がない」という方もいらっしゃるので資格保有というだけで判断できるのはあくまで<手続きができる>(協会に登録しているかどうかは不知)という点だけで、あとは実際に依頼してみて、腕を確認しないとまったくの未知数。

※1-2 税理士であっても経営コンサルティングができるかといえば、口を開けば「節税」しか言わない経営について全く何も知らないで税務申告しかできないという人もあれば、逆に結構レベルの高い人だと繰延や売却等で当期純利益とキャッシュフローの微妙なバランスを読み取ってB/S処理のタイミングを提案してくれる人もいます(=所謂経営コンサルタントタイプの税理士、尤も、そこまでいくとCPAと被りますが、実は損金計上のタイミングまで提案できるのが税理士の強みで、あくまで財務経営上の安全確保等やキャッシュフロー戦略や会社を有価証券としてのバリューで提示できるのがCPAの強みです)。同じ士業の人が集まっても、キャリアや実力はもう正直いろいろですね。何にしても「手続きができるのが士業」、そういう見方が一番リスクが低いです。

※2 ちなみに投資運用等で儲ける助言、みたいなものを根拠にコンサルティング報酬や成功報酬等を得ることを目的に契約するには投資助言業(旧投資顧問業)が要ります。所謂FPができるのは一般論の説明とか専門家の紹介程度のみなので、監査実務のできないCPAみたいなもの。

参考までに、仮に資産承継などの予定がなく0から一代で資産家になるとした場合、どのようなステップを踏むことで資産家になるかの図案を載せておきます(クリックで拡大)。

 

あくまで一般論でしかないのですが、資産家(=富裕層ではないが資産をアテにできるレイヤー)というと、大体資産10億円くらいからで、それまでは「投資家」にこそなれても資産はアテにできませんから、資産家とは言えないです(日本の場合アセットが土地に傾いているのですが土地は減価償却しないから土地込みで10億円もアテにできるという意味ではやはり資産家です。同理由で建物は計算に入れるか微妙なところがあります)。

とは言え、10億円未満ではダメかというと、そういう訳でもなく、例えばFP業務のうち資産形成の計画立案などは可能です。10億円以上になってくると相続税や不動産の運用についてコンサルティングとなるのに対して、10億円未満だとむしろどのように10億円を達成するか?みたいな提案ができるのが魅力的ですから、10億までの道標を掲げてくれると考えるとまだまだ可能性はかなりあるようにも思えます。

まだまだ金融や相談業が未発展の日本。手続きありきの士業至上主義から、それまでの相談の段階でバリューが出るくらいの土壌環境が発達するまでは、やはり欧米の方が資産形成環境としてはまだまだ上で、FP会社(所謂ファミリーオフィス)やプライベートバンカー業務が実質金融商法や財務省法令絡みで禁止事項が多く、いきなり参入障壁を高くしてしまったため社会の知的産業が残された市場がかなり有り余っていると見ていいでしょうが、これを事業としてやっていくにはもう十数年くらいの年月がかかりそうです。

 

 

紫山

 

 

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