人類学, 教育学, 社会学, 経済学, 能力開発

Column 14 最強の資産は教養

為替動向はドル以外は非常に読みにくい産物で、読めるものといったら金くらい。

外国ETFなども手が出せるようになったとはいえ、そこそこの知識やテクニックを要するものです。

 

ありとあらゆる人が共通して現資産として活用できるもののうち、もっとも値崩れせず時流に左右されず溶けないどころか価値が只管高まっていくのは「勉強癖」だけです。

ありとあらゆる資産家や資本家、成功していく事業主全員の共通点は特に「読書癖」があるという点です。

 

だからといって日本人みたいにベースもないのにソフトカバーの当座ノウハウ本ばかり読んでいても意味はありません。一番意味があるのはズバリ「教養」です。

 

僕が所属している教会の前の司祭が立教大学の先生で、あるディベートの題材の「教養とは何か」という質問に対して「一人でも生きていくことのできるもの」と言っていました。その時はなんのこっちゃと思っていましたが、今になってみるとなんだかよくわかる気がします。

 

そう、教養がない人は人に依存しながらでないと生きるのが難しい。それはいろんな意味でです。

 

教養がない場合とある場合ではどう違いがあるか。1つ目に生きるということの意味がわかるかわからないか。2つ目には自分を律することができるか否か。3つ目には他者と健全な信頼関係が築けるか、です。

 

ノウハウに頼っている人には一切わからないと思います。やり方だけ学んでもそのやり方の適切な使いどころがわからないからです。

 

それと、教養がある場合総じて心が平安。上下乱高下するのは教養(=知性)のなさから自分を律することができないだけだと思われます。

 

結局、自分が自分の命を全うするということのために教養があるのであって、生きるということはどういうことなのかをなんとなくでも知り哲学を持っている限りはまずブレません。

そのことから言って最強の資産は教養なのではないかと思うのです。

(ちなみに、著者おすすめの教養は聖書です。もう4~5回くらい繰り返しましたが、10回でも100回でも読むべき。)

 

 

結局のところ、どんな現物資産も10年20年スパンで見ればやはり波はありますし上がりも下がりもします。

しかし、目には見えずともその扱い方に長けている人というのは総じて環境がどうであれ豊かでいられる。つまり適応力があるということです。

 

現実を善く生きようと思うと知識では足りない。

 

結局「これをこうするとこうなる」とわかっていても、「なぜそれをやるのか、なんのためにやるのか」のfor whatがわからないままだと猿と何も変わらない。自動販売機の操作を覚えてジュースが出せたとしてもなぜジュースを出す必要があってなぜお金を入れるのかまではわからない。

 

これはなんの意志も持たずに受動的にただ生物をしているというだけ。

 

ところがそこに彼也彼女也の哲学があって、自販機で売っているものは糖質が高いから飲まないとか、二酸化炭素をまき散らすから使わないだとかという判断基準を持っている人は他がどうであれその人なりの判断で生きることができる。

 

ここで大事なのは自販機が本当に二酸化炭素をまき散らすのかとか糖質が高いとかいうことではなく、彼也彼女也が自分也に学んでいった過程の産物として自ら判断基準やそのプロセスを得ることによって自分の行動を律することを学んだことに意味がある。

 

だから彼や彼女は今後二酸化炭素をまき散らさないことが分かれば自販機を使うかもしれないという点に着目いただきたい。

 

生きる間、豊かさを構築するある種のプロセスというか、アルゴリズムを持っている人というのは強い。周りの環境の変化にいち早く気付いて適応できるからです。だから結果的には「勉強癖」があるかないかというのは本人の人生の豊かさに直接かかわっている。

 

極論、これまで以上に学力主義になっていくのは目に見えていて(日本ではその気配は感じにくいですが、世界全体としては)、現段階でも知的レベルがどこまであるかでその人の自立心がどの程度なのか、学力で豊かさもわかってしまう。

 

子どもに与える一番良い資産も当然ながら「教養」やそのための「教育」だったりします。明治頃までは教養教育が一番大切とされてきたのですが、戦後からはそういった文化はぽっきりなくなってしまいました。

しかし、時代は変われど変わらないものもあるものです。

 

特に文明の発展が速ければ速いほど教養が問われて行くもの。仕事も減っていきますから、真に価値を生み出せる人物であるかどうかが重要なのであってただ闇雲に知識だけ増やせばいいという噺でもなく、むしろ善なることに自分を役立てられる人間であるために教養をたくさん増やすのがよろしいのではないでしょうか。

 

サラリーマン修養のための暗記勉強はあまり意味がない気がしますが、それによって勉強癖が付いた人に関しては今後も豊かでいられる可能性は高いです。過程はめちゃくちゃでしたが、割と方向性としては合っていたのかもしれませんね。

 

紫山

コメントを残す